事業主返還について。
企業型確定拠出年金にはちょっと特徴的な仕組みがあります。「事業主返還」です。
企業型の加入者が、勤続期間3年未満で自己都合退職、または懲戒解雇した場合などに限り、その者の年金資産のうち、事業主が拠出した「事業主掛け金」の全部、または一部を返還させることを可能にする制度です。
「勤続期間3年未満」とは、企業型の加入期間ではなく、社員が事業主に使用された期間となります。
加入期間が1年であっても、事業主に使用された期間が3年以上であれば、退職事由を問わず事業主返還は認められません。
なお、返還対象となるのはあくまで事業主が拠出した掛金であるため、マッチング拠出における加入者掛金や、他の確定拠出年金制度および既存の退職給付制度等からの移換金は返還対象外です。
事業主変換の対象となる事業主掛金は、前払い退職金として従業員へ払う資金です。福利厚生制度の一環としてこの企業型確定拠出年金を導入する企業が多いですが、会社側としても長期勤続者への労いという側面もあるので、3年以内に辞める社員には拠出した年金資産も返してもらうという訳です。